「バレエの妖精とプリンセス」「親子で楽しむ夏休みバレエまつり」8/1~8/12公演へ特別出演!新国立劇場バレエ団のソリスト直塚美穂さんスペシャル・インタビュー

2024年7・8月にかけて開催する「バレエの妖精とプリンセス」「親子で楽しむ夏休みバレエまつり」の8/1~8/12公演に特別出演する新国立劇場バレエ団の直塚美穂さん。東京公演「親子で楽しむ夏休みバレエまつり」では、「白鳥の湖」より黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥを踊ることが決定!2009年ユース・アメリカ・グランプリのニューヨーク本選で銅メダルに輝いた作品に再挑戦となり、成長著しい直塚さんのパフォーマンスに期待が高まります!
バレエ大国ロシアで活躍していた直塚さんに、活動の拠点を日本に移してからのこと、本公演出演のきっかけとなったバレエ仲間のボリス・ジュリーロフのこと、夏公演への思いを伺いました。さらに本編内では、2021年「ロシア・バレエ・ガラ」でジュリーロフと踊った「タリスマンのグラン・パ・ド・ドゥ」の本番映像を特別公開!ワガノワ仕込みのダイナミックな上半身の動きや、美しい脚で魅せる直塚さんの瑞々しい踊りをインタビューと共にぜひご堪能ください。



直塚美穂さんがバレエを始めた幼少期、ロシアでの留学生活やバレエ団での活動について聞いた2021年のインタビュー記事はこちらからご覧いただけます。

Vol.1: 「ロシア・バレエにあこがれて―。」

記事 「ロシア・バレエにあこがれて―。」直塚美穂さん(モスクワ音楽劇場バレエ) スペシャル・インタビュー①

Vol.2:「ロシアで挑戦を続ける日本人バレエダンサー」

記事 「ロシアで挑戦を続ける日本人バレエダンサー」直塚美穂さん(モスクワ音楽劇場バレエ) スペシャル・インタビュー②

Vol.1: 「ロシア・バレエにあこがれて―。」
Vol.2:「ロシアで挑戦を続ける日本人バレエダンサー」


《バレエの聖地ロシアを去る》
2018年からモスクワ音楽劇場バレエに所属して、様々な作品に挑戦し、お互いを高め合う仲間と一緒にとても充実した生活を送っていました。しかし2022年にロシアによるウクライナ侵攻が始まり、状況は一変。当時の芸術監督であったローラン・イレールは真っ先に劇場を去り、ロシア国内のバレエ団に所属する外国人ダンサーたちもどんどんロシア国外に拠点を移していきました。それでも私はロシアに残り、モスクワ音楽劇場バレエでの活動を続けていくつもりでしたが、私の身を心配した両親の計らいで、日本に帰ることになりました。友人との突然の別れや、描いていた目標も断ち切られ、当時はとても辛かったです。

《新国立劇場バレエ団に入団》
日本に帰国してからは、新国立劇場バレエ団でクラスを受けさせてもらいました。ウクライナ侵攻の影響で帰国してきたダンサーたちにクラスの場を与えてくれていたのです。しばらくして新国立劇場バレエ団でオーディションが開かれ、私の入団が決まりました。まだロシアへの未練はありましたが、ダンサーを続けることができる場所を探していたので、気持ちを切り替えて新たな場所で挑戦することにしました。
入団すると、最初はロシアとの環境のギャップに苦しみました。レッスンのスタイル(メソッド)も違いましたし、公演数もロシアと比べるとかなり少ないです。毎日時間ぴったりに始まるレッスンにも驚きました。ロシアではそんな日はほとんどありませんでしたから(笑)。入団して間もない頃からコール・ド・バレエで何度か舞台にも立ちましたが、慣れない環境で肉体的にも精神的にもひどく疲れていたのを思い出します。

《新たな経験で成長を実感できた1年に》
徐々にバレエ団にも溶け込むことができ、2023年からは「A Million Kisses to my Skin」や「白鳥の湖」のポーランドの女王、「ドン・キホーテ」の踊り子など、挑戦的な作品やロシアでは配役されなかった役も経験することができ、充実感がありました。
入団当初苦手だった細やかなステップにも慣れてきて、吉田都監督も「踊り方が変わった。今は身体をちゃんとコントロールできるようになった。」と言ってくださったことが励みになりました。
今では「公演数が多く、舞台を通して鍛えられるロシア」と「十分な練習時間を使って、準備して舞台に臨める日本」それぞれの良さを理解できるようになりました。ダンサー同士で教えあい、励ましあって練習できる新国立劇場バレエ団の環境も気に入っています。色々な面で自分の成長を実感できた1年でした。

「タリスマンのグラン・パ・ド・ドゥ」直塚美穂&ボリス・ジュリーロフ 2021年「ロシア・バレエ・ガラ」より

《バレエ仲間のボリス・ジュリーロフ》
そんな中、モスクワ音楽劇場バレエの元同僚で、今でも交流が深いボリス・ジュリーロフから、今回のガラ公演のお話をいただきました。ボリスとの出会いは、彼がモスクワ音楽劇場バレエに移籍してきた2019年のことですが、彼と話すようになったのは2021年に参加した日本公演「ロシア・バレエ・ガラ」がきっかけです。2人で「タリスマンのグラン・パ・ド・ドゥ」を3~4週間、毎日のように踊りました。この時は、日本に来る前に、ボリスと私、それぞれの先生、合わせて4人で、空いている時間を見つけてたくさん練習をしました。ロシアのバレエ団ではダンサー1人1人に先生が付くシステムで、先生たちはいつも熱心に適格なアドバイスをくれました。そしてとても濃い練習期間とツアーを共に過ごした私たちは、日本公演を終えてロシアに戻ってからも、度々劇場で一緒に踊りました。現在、ボリスはハンガリー国立バレエにいて、それぞれ別のバレエ団ですが、こうしてまた一緒の舞台に立てる機会をいただけて、とても嬉しいです。


《今回のガラ公演について》
私が参加した2021年の「ロシア・バレエ・ガラ」では、毎日違う都市に行って、毎日違う会場で踊って、とても楽しかったのを覚えています。たくさんの日本の方に私の踊りを見てもらえた公演でした。毎日行動を共にしたダンサーのみんなとは、家族のように仲良くなり、とても思い出深いツアーとなりました。
今回の公演では、パ・ド・ドゥを踊る予定で、新国立劇場バレエ団では見られない姿を皆様にお見せできるのを楽しみにしています。また、ヨーロッパのバレエ団で活躍するダンサーと一緒の舞台で共演できることも、今の私にとって刺激になると思います。新国立劇場バレエ団の看板を背負ったことで、また違った緊張感もありますが、成長した私の姿を観ていただけたら嬉しいです。


直塚美穂(新国立劇場バレエ団/ソリスト)

愛知県出身。2009年ユース・アメリカ・グランプリ ニューヨーク本選 銅メダルを受賞。12年にワガノワ·バレエ·アカデミーに留学、13年サンクトペテルブルグ・バレエ・シアターにソリストとして入団。16年ミハイロフスキー劇場バレエにコリフェとして入団し、『海賊』ギュルナーラなどを踊る。18年モスクワ音楽劇場バレエに移籍し、20年ソリストに昇格。新国立劇場では「バレエ・アステラス」に14年、19年に出演。22年に新国立劇場バレエ団にファースト・アーティストとして入団。D.ドウソン『A Million Kisses to my Skin』、F.アシュトン『夏の夜の夢』芥子の種の精、P.ライト『白鳥の湖』ポーランド王女などを踊っている。23年ソリストに昇格。


【公演情報】

2024年7-8月に、ヨーロッパ名門バレエ団のソリストたちが出演する「バレエの妖精とプリンセス」「親子で楽しむ夏休みバレエまつり」の来日公演が開催されます。公演情報は、下記をご覧ください。


ヨーロッパの名門バレエ団で活躍中のダンサーが出演し、夢の競演を果たします!

■「親子で楽しむ夏休みバレエまつり ヨーロッパ名門バレエ団のソリストたち」
【公演期間】2024年8月3日~8月4日
【開催地】東京

■「バレエの妖精とプリンセス ヨーロッパ名門バレエ団のソリストたち」
【公演期間】2024年7月26日~8月12日
【開催地】神奈川、群馬、愛知、大阪、宮城、秋田 ほか

その他の公演情報

■ ジョージア国立バレエ「くるみ割り人形」
【公演期間】2024年12月開催予定
※詳細は2024年7月発表予定

■ ウクライナ国立バレエ「ジゼル」ほか
25年1月開催予定 ※詳細は24年8月発表予定