エレーナ・フィリピエワ バレエ芸術監督就任インタビュー

キエフ・バレエ(タラス・シェフチェンコ記念ウクライナ国立バレエ)の新しいバレエ芸術監督として、ウクライナ共和国人民芸術家のエレーナ・フィリピエワ氏が任命されました。
数多くの国際コンクールを受賞し、ウクライナを代表するバレリーナとして世界的に活躍。キエフ・バレエのプリンシパルとして、ほぼすべての演目で主演し、日本でも劇場の来日公演やガラ公演などの活躍でよく知られています。今年9月より、バレエ芸術監督としての活動が始まるにあたってインタビューを行いました。

(左から)ヴィタリー・ネトルネンコ、エリザヴェータ・フィリピエワ、エレーナ・フィリピエワ、寺田宜弘

―芸術監督就任、おめでとうございます。どのような気持ちでこの連絡を受けられましたか?

ウクライナ国立歌劇場のバレエ芸術監督への任命は、私にとって驚きでした。前芸術監督のアニコ・レフヴィアシヴィリが急に亡くなってしまい(2019年11月に急逝)、しばらくの間このポジションは空いたままになっていました。
芸術監督の候補者は大勢いましたが、劇場のマネジメントは、「この劇場をどれほど愛しているか」、そして「ウクライナのバレエの将来について大きな関心を持っているか」などについて評価をして、劇場総裁であるペトロ・チュプリーナ氏が私をバレエの芸術監督に任命することを決定しました。ありがたいことに私は劇場において尊敬される対象として、知名度がありました。私は人生の長い期間、この劇場の舞台で踊ってきましたから。さらに、日本を含む海外公演すべてのツアーで主演してきた実績のおかげです。
今回、芸術監督への就任については大変光栄に感じておりますが、同時にそれは大変大きな責任を伴う仕事だと考えています。劇場に対する責任、公演のクオリティに対する責任、そしてこの国のバレエの未来に対する責任。不安もありますが、この大きな責任を果たすべく、精一杯努力していきたいと思っています。

―芸術監督として、今後どんなことをしていきたいと考えていますか?

私の最初の仕事は、この劇場をより洗練された力強いバレエ団に導いていくことだと思っています。キエフ国立バレエ学校卒業生と共に若く実力のあるアーティストに数多く加わってもらい、海外からもバレエ教師を呼んで、パフォーマンスの質を高めていきます。さらに、著名な振付家をキエフに招き、新しい作品も披露したいと考えています。
また、バレエフェスティバルなども企画していく予定です。ウクライナの才能あふれる新しいアーティストや振付家を、全世界の方々に観てもらいたいと思っています。もちろん伝統的な古典作品も守っていきます。
ウクライナのバレエ芸術を強化し、そして充実させるために、様々なことを計画しています。

―フィリピエワさんは、どのような芸術監督を目指していますか?

リーダーとして 、常に公正でありたいと思っています。皆が願うような芸術監督を目指しています。キエフ・バレエが世界的に素晴らしいバレエ団として、さらに認知されていくように、あらゆる努力と知識を注いでいくつもりです。
時間がかかると思いますが、私はそれを実行していく自信があります。実際、ウクライナという国には、才能あるバレリーナやバレエダンサー、振付家がたくさんいますから。彼らの才能を、活かしていくことが私の役割だと思っています。

―これからキエフ・バレエを、どのようなバレエ団に育てていきたいと考えていますか?

ダンサーの一人ひとりが、それぞれの作品で、どれほど自分の役割が重要で価値があるかを自覚できるよう、個人個人が尊重されるような雰囲気をバレエ団の中に作っていきたいと考えています。
そして、この劇場のバレエ団として披露する公演を、新たなレベルに引き上げていきたいと考えています。私たちバレエ団のパフォーマンスが、新しく輝いて見えるように努力していきたいと思っています。

―日本のバレエファンへのメッセージをお願いします。

私たちは、日本のみなさまとの新しい出会いを楽しみにしています! キエフ・バレエすべてのバレエダンサーにとって、日本はお気に入りの国です。困難な時期が少しでも早く収束して、再び皆様に私たちのバレエ芸術をお見せ出来るように心から願っております。人生でどんな事が起こっても、バレエは人々に希望と信頼と奇跡をもたらすことでしょう。