ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場オペラ

ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場オペラ

来日20周年! 天才モーツァルトの才能が凝縮された2作品を上演!

<『フィガロの結婚』―オペラ作曲家として頂点を極めたモーツァルト>
 「私は夜も昼もテキストを書き続け、モーツァルトはすぐに音楽をつけていく」。何作かのオペラを上演後、100本以上の台本に目を通しても満足がいかないモーツァルトの前に、台本作家のダ・ポンテが現れる。念願の優れた台本を手にしたモーツァルトは、6週間で一気に『フィガロの結婚』を書き上げた。当時から大成功を収めたこの作品で、モーツァルトは不動のオペラ作曲家として歴史に名前を残した。
 音楽によって、的確に「人間像・性格」を描き分けられた11人もの登場人物。現代にも通じるストーリー性―上司からのハラスメント、冷めた夫婦関係の悩み、浮ついた恋心や、軽妙な策略と行き違い―。コミカルな笑いで描かれた、この楽しいオペラは、モーツァルトならではの軽やかなリズム感とアンサンブルで、心地よく展開・進行する。今も世界中で上演される人気の秘密は、普遍的な物語と共に、モーツァルトの優れた音楽性が発揮されたからに他ならない。
<『魔笛』―最晩年のモーツァルトが作品に秘めた謎>
 モーツァルトは、劇場主シカネーダーから「ドイツ語のオペラ」を依頼される。初めはお伽話オペラを書くつもりで、『魔笛』の台本を前にしたモーツァルトだが、母国語ドイツ語作品という意欲も相まって、次第に倫理的な表現を作品中に込めていった。浪費を繰り返し、貧窮を極めた最晩年のモーツァルトが何を思ってこのオペラを創作したか。美しい音楽が響く不思議な物語は、後世に渡り様々な憶測と解釈を生んでいく。
 持てる才能をすべて注ぎ込んで出来上がった、視覚的に「見た目も楽しい、お伽話」、音楽的に「多様な音楽が詰まった、贅沢なオペラ」、そして内容的に「象徴性を秘めた、不思議な作品」。知れば知るほど、謎解きの迷宮に入り込むようなオペラ『魔笛』は、今もモーツァルトオペラの極致として輝いている。

作品紹介

魔法の笛を手に王女救出の旅に出る!
歌と芝居で綴る冒険ファンタジー。
「魔笛」
全2幕 原語上演・日本語字幕付 作曲:W.A.モーツァルト

魔物に追われる王子タミーノ。気を失った王子を助けたのは夜の女王に仕える3人の侍女だった。侍女達からザラストロにさらわれた王女パミーナの絵を渡されたタミーノはその美しさに一目惚れ。夜の女王に頼まれ、お調子者の鳥刺しパパゲーノと共にパミーナ救出の旅に出る!そしてザラストロの宮殿にたどり着いたタミーノは魔法の笛で試練に立ち向かう―。



痛快な恋愛模様と絶妙なアンサンブル!
これぞ天才モーツァルト!
「フィガロの結婚」
全4幕 原語上演・日本語字幕付 作曲:W.A.モーツァルト

伯爵夫人の小間使いでフィガロとの結婚を控えるスザンナ。スザンナに言い寄る伯爵。そんな夫を懲らしめようと伯爵夫人たちは策を練る!知恵者のフィガロ、おませな美少年ケルビーノ、セビリアの医師バルトロ、そして音楽教師のバジリオや女中頭マルチェリーナが織り成す愉快な一日。聴きどころ満載、世界中で愛されるモーツァルトの最高傑作!



管弦楽:ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場管弦楽団
合唱:ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場合唱団

オペラを見る楽しみ ~「魔笛」と「フィガロ」の見どころ~

モーツァルトのオペラを見る楽しさ

 モーツァルトは35歳という短い生涯だったが、幼少時から神童としてヨーロッパ各地を父に連れられ姉と共に演奏旅行で回り、宮廷での御前演奏や、階級社会の最上層を見つめた。キャリアの後半はフリーランスとなり誰に仕えることなく庶民の生活を送っている。
 モーツァルトが、宮廷に属すことなくフリーランスとなったのは1781年25歳の時。当時は、貴族に召し抱えられることなく生計を立てる作曲家など存在せず、キャリアの成功=いかに大貴族の宮廷での地位を得るか、が重要であった。父親が、幼い彼をヨーロッパ中連れ回したのもより良い就職先を探していたからなのに、モーツァルトは、雇い主であるザルツブルク大司教から解雇され、宮廷オルガニストの地位を失ってウィーンに定住することになる。
 要するに会社をクビになってしまい、転職のあてもないので都会のウィーンに出てフリーランスになったわけなのだが、これが創作活動、特にオペラの作曲には功を奏した。モーツァルトが生み出したフリーランス以降のオペラは、誰(貴族)に忖度することなく、自分が心からおもしろいと思える台本に曲をつけることができた。そして詳細に性格描写が施された登場人物たちは、劇中、それぞれ生き生きと躍動し大活躍できたのだ。

モーツァルト

モーツァルト

壮大な冒険ファンタジー『魔笛』

 モーツァルトのオペラは21作品(完成したのは17作)残されている。代表作は晩年に作曲された『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『魔笛』が挙げられる。
 1791年、モーツァルト35歳の時に作られた『魔笛』は、壮大な冒険ファンタジーと考えると本当に秀逸で、現代のゲームの題材などにしてもかなりおもしろい(実際、『モーツァルトの魔笛』というパズルゲームが存在する)。おとぎ話なのか、モーツァルトが入会していたフリーメイスンの思想が秘められた哲学的な内容を孕んでいるのか、一筋縄ではいかない、さまざまに解釈できるミステリアスな作品。モーツァルト最高傑作と言われるだけあり、一度聞いたら決して忘れない美しいメロディーが散りばめられていて、オペラ・デビューに最適。
 劇場主シカネーダーがドイツ語で書かれた台本をモーツァルトに渡し、一般市民が楽しめる音楽劇を作るよう依頼した。美しいメロディーを仕掛けて聴かせどころを作り、さらにコミカルな要素も忘れない。エンタテイメント性抜群な作品に仕上がり、初演から大好評となった。 
王子タミーノが絵に描かれたパミーナに一目惚れし最後は結ばれる、というストーリー。ハッピーエンドに至るまでには、大蛇、極めて俗っぽい鳥刺しパパゲーノ、闇の力で世界征服を企むパミーナの母親で怖ろしい夜の女王、エジプトの神官ザラストロなどが登場し、恋する男子タミーノ王子は、さまざまな試練を課される。200年以上前に作られた、まさに冒険ファンタジーだ。

現代にも通じるラブ・コメ『フィガロの結婚』

 『フィガロの結婚』は1786年、モーツァルト30歳の時の作品。フランスの劇作家ボーマルシェによる戯曲『セビリアの理髪師』(ロッシーニ作曲のオペラが有名)の話の続きになっている。痛烈な貴族批判=階級社会批判をした風刺的な作品で、たびたび上演禁止になっているのにも関わらず、神聖ローマ帝国ヨーゼフ2世がいるウィーンでなぜ上演できたのか、かなり危険な賭けだったはず。貴族の誰からも庇護を受けていないモーツァルトだからこそできた快挙だ。
 フィガロはアルマヴィーヴァ伯爵に仕える身。伯爵夫人に仕える小間使いスザンナと結婚を控えており、一番幸せな時期。ところが浮気者のアルマヴィーヴァ伯爵が、初夜権(領主が使用人や領地内の女性の初夜を夫より先に得られる権利)を行使しようとスザンナを虎視眈々と狙っている。
 要は、セクハラ、パワハラにあっている結婚を控えたカップルが、いかに上司の理不尽をかわして無事結婚までこぎつけるか、という非常に現代的なテーマのラブ・コメなのだ。フィガロとスザンナは、フルに機転を利かしてあの手この手で伯爵をあきらめさせようとする。
 夫のたび重なる浮気に心を痛める伯爵夫人ロジーナ、思春期真っ盛りの小姓ケルビーノ、フィガロを好きな訳アリ女中頭マルチェリーナ、ロジーナと結婚したかったのに邪魔されてフィガロに恨みをもつ医者のドン・バルトロなど、周囲の人物を巻き込んで、最後は無事ハッピーエンド。
 とにかく登場人物が多くてドタバタしており、でもそれがラブ・コメの真骨頂であるわけだ。女装したり偽の恋文を渡したり、ラブ・コメのマストアイテムもふんだんに出てくる。伯爵をやり込めるプロセスには、痛烈な貴族風刺が盛り込まれている。息もつかせない展開の物語だが、ソロのアリアだけでなく、美しい重唱がふんだんに登場し、ドラマをまっすぐに力強く進行させていく。モーツァルトの天才ぶりが存分に楽しめる、これぞオペラと言える作品だ。鑑賞前に登場人物のキャラクター、ストーリーを予習しておくと楽しさ倍増。

「フィガロの結婚」「フィガロの結婚」

「フィガロの結婚」

世界でも稀有な室内歌劇場

 モーツァルトのオペラ21作品をすべてレパートリーに持つ、世界でも稀な室内歌劇場がワルシャワ室内歌劇場。モンテヴェルディ、テレマンといったバロック時代から20世紀までのオペラ作品も上演し、オペラの研究機関としても機能している。
 一般にオペラというと舞台装置、歌手、合唱、オーケストラと大人数を要し、大がかりで制作費もかさむ一大イベント、というイメージがある。日本で体験できるオペラは大体そうだ。ワルシャワ室内歌劇場は、そういったオペラのステレオタイプなイメージを覆す。小編成ながらハイレベルな演奏と歌唱、演技が楽しめる。そこは経験したことのない小宇宙になっていて、気負うことなくオペラのエッセンスを楽しむことができるのだ。
 今回の来日は8回目で来日20周年を迎えた。オペラ・デビューの人にも、通なオペラ・ファンのニーズにも応えられる稀有な室内歌劇場の公演が楽しみだ。

結城美穂子(編集者)

出演予定

  • マルチン・ソンポリンスキ

    マルチン・ソンポリンスキ(指揮:魔笛)

    ポズナン音楽大学で指揮法を学ぶ。ライプツィヒやシュトゥットガルトなどで研鑽を積んだ後、ポズナン音楽大学オーケストラ(1993~2012年)、ポズナン歌劇場(1997~2002年)の指揮を務めた。

  • ピョートル・スワコフスキ

    ピョートル・スワコフスキ(指揮:フィガロの結婚)

    ヴァルミア=マズーリ・フィルハーモニー管弦楽団、クラクフオペラ、トルン交響楽団の芸術監督を歴任。ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団へ客演やM.ヴェンゲーロフと共演するなど国内外で活躍。

  • イングリダ・ガポヴァ

    イングリダ・ガポヴァ
    (ソプラノ)

  • イヴォナ・ソボトカ

    イヴォナ・ソボトカ
    (ソプラノ)

  • アレクサンドラ・シュミット

    アレクサンドラ・シュミット
    (ソプラノ)

  • アルトゥル・ヤンダ

    アルトゥル・ヤンダ
    (バリトン)

  • スタニスワフ・クフリュク

    スタニスワフ・クフリュク
    (バリトン)

  • アレクサンデル・クナフ

    アレクサンデル・クナフ
    (テノール)

  • ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場

     ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場はモーツァルトのオペラを全作品随時上演できるということで世界的に知られている。また、モンテヴェルディ、テレマンなどのバロック期の作品から20世紀音楽家の作品まで幅広い時代のオペラを上演することでオペラ芸術の研究機関としての役割も果たしている。「モーツァルト・フェスティバル」「ロッシーニ・フェスティバル」「バロック・オペラ・フェスティバル」など、内外問わず様々なフェスティバルを主催もしくは参加し、フランス、イタリア、ドイツ、ロシア、イスラエル、アメリカ、カナダ、スペインほか様々な国々で1500公演を超える海外ツアーを行っている。来日公演は今回で8度目を数え、モーツァルト・オペラの名手達が魅せる舞台は毎回好評を博している。

<光藍社購入限定!2演目セット割引>
東京文化会館で開催の「魔笛」「フィガロの結婚」同時購入でお得にご購入いただけます。各演目1公演ずつ、合計2枚お選びください。席種は各公演それぞれS~B席よりお選びいただけます。
セット価格:チケット1枚につき500円引
※S~B席以外のセット割引はございません。※セット割引は東京文化会館公演のみ対象です。

公演日程/上演演目

[ご注意とお願い]

  • チケットをお求めの際は、予め下記の事項をご了承くださいますようお願い申し上げます。
    ●価格は全て税込です。
    ●開場は開演の30分前です。
    ●未就学児のご入場はご遠慮ください。
    ●記載されている情報は2019年2月現在の予定です。やむを得ない事情により、これらが変更になる場合がございますが、お買い求めいただいたチケットのキャンセル及び変更は出来ませんので予めご了承ください。最終的なキャストは当日発表とさせていただきます。
    ●会場内における飲食、喫煙はご遠慮ください。
    ●写真撮影、録画、録音などは一切禁止させていただきます。
    ●開演後のご入場は制限させていただく場合がございます。
  • <U25チケット(25歳以下当日引換券)>4,000円(B、C席相当) 取扱いは光藍社チケットセンターのみ。
    ※満25歳以下が対象です。お座席はお選びいただけません。座席指定券へのお引換えは公演当日会場にて行います。
    ※年齢確認のできる身分証をご持参ください。ご提示のない場合はC席定価との差額を頂戴いたします。
  • 【SS席エリアについて】
    1階15~23列中央の座席エリアです。
11/4(月・休)
15:00開演
(14:30開場)
会場 神奈川県民ホール 大ホール 一般
発売日
6/26
演目 フィガロの結婚
席種 S席14,000円 A席12,000円 B席9,000円 C席6,000円
U25チケット(25歳以下当日引換券) 4,000円
情報 上演時間:約3時間休憩あり
11/7(木)
18:30開演
(18:00開場)
会場 オリンパスホール八王子 一般
発売日
6/26
演目 フィガロの結婚
席種 S席14,000円 A席12,000円 B席9,000円 C席6,000円
U25チケット(25歳以下当日引換券) 4,000円
情報 上演時間:約3時間休憩あり
11/9(土)
13:00開演
(12:30開場)
会場 東京文化会館 大ホール 一般
発売日
6/26
演目 魔笛
席種 SS席18,000円 S席15,000円 A席13,000円 B席11,000円 C席9,000円 D席7,000円
U25チケット(25歳以下当日引換券) 4,000円
情報 上演時間:約3時間休憩あり
11/9(土)
17:30開演
(17:00開場)
会場 東京文化会館 大ホール 一般
発売日
6/26
演目 魔笛
席種 SS席18,000円 S席15,000円 A席13,000円 B席11,000円 C席9,000円 D席7,000円
U25チケット(25歳以下当日引換券) 4,000円
情報 上演時間:約3時間休憩あり
11/10(日)
14:00開演
(13:30開場)
会場 東京文化会館 大ホール 一般
発売日
6/26
演目 フィガロの結婚
席種 SS席18,000円 S席15,000円 A席13,000円 B席11,000円 C席9,000円 D席7,000円
U25チケット(25歳以下当日引換券) 4,000円
情報 上演時間:約3時間休憩あり
11/11(月)
18:30開演
(18:00開場)
会場 昌賢学園まえばしホール 一般
発売日
6/26
演目 魔笛
席種 SS席14,000円 S席13,000円 A席11,000円 B席9,000円 C席7,000円 D席5,000円
ペア券(1枚あたり) ※2枚同時購入で割引
S席12,000円 A席10,000円 B席8,000円 C席6,000円 D席4,000円
情報 上演時間:約3時間休憩あり
ネットでチケットご購入の方はこちらネットでチケットご購入の方はこちら

お申し込み方法の詳細は「チケットお申し込み方法」をご覧ください。

お電話でご購入の方は 050-3776-6184(月~金 10時~18時 土・日・祝休)

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日時 公演会場/地域 問い合わせ先 一般発売日
11/2(土)
15:00開演
長野県伊那文化会館「フィガロの結婚」
(長野県)

長野県伊那文化会館

0265-73-8822

6/22
11/3(日)
15:00開演
豊田市コンサートホール「フィガロの結婚」
(愛知県)

豊田市コンサートホール

0565-35-8200

7/20
11/4(月・休)
15:00開演
神奈川県民ホール 大ホール「フィガロの結婚」
(神奈川県)

神奈川芸術協会

045-453-5080

6/26
11/7(木)
18:30開演
オリンパスホール八王子「フィガロの結婚」
(東京都)

光藍社チケットセンター

050-3776-6184

6/26
11/9(土)
13:00開演
東京文化会館 大ホール「魔笛」
(東京都)

光藍社チケットセンター

050-3776-6184

6/26
11/9(土)
17:30開演
東京文化会館 大ホール「魔笛」
(東京都)

光藍社チケットセンター

050-3776-6184

6/26
11/10(日)
14:00開演
東京文化会館 大ホール「フィガロの結婚」
(東京都)

光藍社チケットセンター

050-3776-6184

6/26
11/11(月)
18:30開演
昌賢学園まえばしホール 大ホール「魔笛」
(群馬県)

昌賢学園まえばしホール

027-221-4321

6/26