第九 ウクライナ国立歌劇場管弦楽団

本公演は2012年12月28日から2012年12月30日まで開催しました。

明日への希望と力が湧き出てくる「第九」!

感動の渦の中に身を委ねる力強いコンサート!

O Freunde, nicht diese Töne!
Sondern laßt uns angenehmere
anstimmen und freudenvollere.
おお友よ、このような音ではない!
我々はもっと心地よい
もっと歓喜に満ち溢れる歌を歌おうではないか

力強く柔らかく澄んだ音色が歴史の彼方から蘇る!
名門オペラ・ハウスの伝統が息づく豊潤な響き
2012年を振り返り、一人ひとりの心に「大きな力」と「希望」が宿ること必至の「第九」公演をお楽しみください。

※本公演は途中休憩がございません。予めご了承ください。
※出演者、曲目、曲順は変更になる場合がございます。予めご了承ください。
※未就学児のご入場はご遠慮ください。

第九 ウクライナ国立歌劇場管弦楽団

出演予定

管弦楽: ウクライナ国立歌劇場管弦楽団
指揮: ミコラ・ジャジューラ
合唱: The Metropolitan Chorus of Tokyo
合唱指揮: 松下 耕
ソプラノ: ヴィクトリア・チェンスカ
メゾソプラノ: アンジェリーナ・シヴァチカ
テノール: ドミトロ・クジミン
バリトン: セルヒイ・マヘラ

予定プログラム

ベートーヴェン 「フィデリオ」序曲
ベートーヴェン 交響曲 第九番“合唱付き”
  • 演奏時間:約2時間
  • 休憩なし

ミコラ・ジャジューラ(指揮)
Mykola Diadiuraミコラ・ジャジューラ(指揮)

チャイコフスキー記念キエフ国立高等音楽院を卒業(1987年、R.コフマン教授のクラス)。1986年から88年にかけてロシアのオムスク交響楽団の首席指揮者をつとめる。1989年ウクライナ国立歌劇場の指揮者に就任、ロッシーニの歌劇「セヴィリアの理髪師」、などを指揮する。
1996年から、ウクライナ国立歌劇場の指揮者と同時に、ウクライナ国立フィルハーモニーの首席指揮者および芸術監督の地位にある。
ウクライナの指揮者のなかでも若い世代の代表的な存在。熟練した技術をそなえた偉大な才能と、組織のリーダーとしての素質を兼ね備えている。

松下 耕(合唱指揮)
Ko Matsushita松下 耕(合唱指揮)

作曲家、合唱指揮者。国立音楽大学作曲学科首席卒業。ハンガリー・コダーイ研究所合唱指揮マスターコース修了。
現在、音楽監督を務めている合唱団は10団体を数える。 作品は、日本の伝統音楽を題材にした作品、ミサ曲、モテット、合唱のための練習曲など、多岐にわたる。近年は、作品が日本以外の国々の多くの合唱団により演奏されており、日本の出版社だけでなく、海外からも多く出版されている。
日本国内のみならず、諸外国でも、数多くのワークショップ、レクチャーの講師としても活躍。 また、シンガポール、イタリア、香港など、世界のコンクールの審査員も勤めている。 2005年、合唱音楽における指揮、作曲、演奏、教育などの分野で国際的に優れた活躍が認められ、Robert Edler賞を、アジア人で初めて受賞した。 現在、東京都合唱連盟副理事長。日本合唱指揮者協会会員。 国際コダーイ協会会員。 合唱表現研究会代表。

ウクライナ国立歌劇場管弦楽団
Ukraine National Opera Orchestraウクライナ国立歌劇場管弦楽団

ウクライナ国立歌劇場管弦楽団は1834年の誕生以来の歴史と伝統を誇り、世界各地で演奏を行っている。1880年代に劇場はチャイコフスキーを招いて、オペラ『スペードの女王』『エフゲニー・オネーギン』などを上演し、成功をおさめる。1891年にはチャイコフスキー自身の指揮で彼の作品を上演し、劇場に対して、キーロフ劇場やボリショイ劇場に続く劇場として褒め称えた。そのほか、リムスキー=コルサコフ、ラフマニノフ、グリエール、グラズノフ、ショスタコーヴィチなど錚々たる作曲家がこのオーケストラを指揮している。
近年はチャイコフスキー、ムソルグスキー、ヴェルディ、プッチーニなどのオペラ、チャイコフスキーのバレエ、ベートーヴェン、ブラームス、マーラーなどの交響曲を演奏。オイストラフ、ギレリスなどの巨匠とも共演している。
1989年にヴォロディミール・コジュハルが首席指揮者に就任し、一層の発展を遂げて現在に至っている。ドイツ、フランス、ポーランド、スイス、オランダ、スペイン、ユーゴスラビア、ルーマニア、ブルガリア、チェコなど各地で公演を行い、好評を博している。

松下 耕(合唱指揮)
The Metropolitan Chorus of Tokyo

合唱指揮者・作曲家の松下耕氏が音楽監督・常任指揮者を務める10の合唱団からなるグループ。 2000年、同氏が指導する9の合唱団によるジョイント・コンサートを「耕友会」として発足。 2008年、耕友会をThe Metropolitan Chorus of Tokyoに改名。

明日への希望と力が湧き出てくる、「第九」!
感動の渦の中に身を委ねる力強いコンサート

今こそ、ベートーヴェンの『第九』の音楽が持つ力を必要としている人はたくさんいることだろう。  ベートーヴェンは、ドイツの詩人で思想家であったシラーの作品をこよなく愛読していた。シラーの作品の根底には、理想主義、英雄主義、自由を求める不屈の精神が流れている。ベートーヴェンは、シラーの詩『歓喜に寄せて』を9番目の交響曲に取り入れる時に、冒頭に次のような自作の短い言葉を付け加えた。管弦楽による混沌とした音が流れ、やがてバリトンによって導かれる言葉-「おお友よ、このような音ではない!我々はもっと心地よい、もっと歓喜に満ちあふれる歌を歌おうではないか」-。
 現代の時代性に照らし合わせて言い換えれば、「すべての人々よ、こんな現実ではない!もっと心地よい、明るい未来を描こうではないか」となるだろう。第九を聴く観客は、この言葉に続く「抱き合おう、諸人よ!」という歌詞に呼応して、合唱に合わせて心の中で力強いメロディーを歌うことになる。
 東欧音楽界の名門・ウクライナ国立歌劇場管弦楽団が、同歌劇場のソリストたちと共に来日し、年末にベートーヴェン『第九』の特別演奏会を開催する。ウクライナと言えば、ソ連支配下にあった時代にはリヒテル、オイストラフ、ピアティゴルスキーなど、錚々たる音楽家を輩出した音楽大国だが、それは現在にも受け継がれ、表現力の豊かな音楽家が次々と育っている。伝統ある精神を引き継ぐ音楽家が集まったウクライナ国立歌劇場管弦楽団は、その実力を高く評価され、ヨーロッパでも注目されるオーケストラのひとつなのである。今回の日本公演では、日本のオーケストラも加わり、厚い声量で定評のある合唱団とともに、過ぎ行く2012年を振り返り、高らかに明日への希望を奏で歌い上げていく。一人ひとりの心に、「大きな力」と「希望」が宿ること必至の『第九』公演をお楽しみに。