ヒーリング・クラシックス バラホフスキーとノヴォシビルスク室内合奏団
心癒される叙情性に酔いしれる。ゆったりと楽しむヴァイオリンと室内楽の音色。
あなたの気持ちにぴったりのメロディが、きっと見つかる。
誰もがふとした折りに実感するように、音楽には大きなパワーが備わっている。ある時は聴く者に勇気を与え、ある時は夢心地にさせる。郷愁をかき立てる音楽もあれば、晴れやかな気持ちにさせる音楽もある。そして、日常の瑣事から心を一時解き放ち、気分を新たにしてくれる。すべて、音楽の持つ「形のないパワー」である。
そんな、心を動かし、和ませ、気分をリフレッシュしてくれるいわば「癒しの音楽」を、古今の小品・佳品の中から選りすぐってじっくりと味わえるのが、この「ヒーリング・クラシックス~バラホフスキーとノヴォシビルスク弦楽合奏団~」公演だ。
昨年の日本初公演では、バラホフスキーのヴァイオリンが紡ぐ繊細かつ抒情味溢れるメロディーと、ノヴォシビルスク室内合奏団の透明感に満ちたアンサンブルで名曲がつぎつぎと流れ、私たちをうっとりと酔わせてくれた。それは「至福のひととき」とも言うべき時間で、あらためて音楽の素晴らしさを実感したのだった。
バラホフスキーはレーピン、ヴェンゲーロフに続くノヴォシビルスク出身の才能豊かな若手ヴァイオリニスト。日本でも既に何度もリサイタルやオーケストラとの共演で名演奏を聴かせ、その度に着実にファンを増やしている。そしてノヴォシビルスク弦楽合奏団はロシア国立ノヴォシビルスク・アカデミー交響楽団に所属する精鋭たちによるアンサンブル。このアンサンブルは最高水準の音楽家で構成され、独奏とアンサンブルレパートリーの組み合わせを信条としていることで知られる。つまり、各演奏家がソロとしてもアンサンブルの一員としても演奏するという独自の演奏活動により、他のアンサンブルとは一線を画す活動を続けているのだ。また、指揮者なしで演奏することもこのアンサンブルに独創性と自発性を与えている。
さて、昨年の大好評に応えて再度日本公演が実現した「ヒーリング・クラシックス」。今回も、映画などで聴き馴染みがあり、私たちが容易にその曲の世界に入っていくことのできる、美しいメロディを持つ曲の数々を揃えている。クライスラーの「愛の喜び」に心躍らせ、マスネの「タイスの瞑想曲」のしっとりとした叙情性に酔いしれる。また、ベートーヴェンの「ロマンス第2番」の甘やかな感傷に身をひたし、サラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」に熱い思いを抱く――。
目の前で奏でられる音楽をゆったりと楽しむ時間が、また新たな気持ちで自分自身と向き合う手助けをしてくれることだろう。

